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『秋なすは嫁に食わすな』と言う言葉の本当の意味

 





『秋なすは嫁に食わすな』という言葉があります。この言葉を一度は聞いたことがある方は、多いと思います。


今でこそ茄子は一年中店頭や市場で見られますが、ハウス栽培などまったくなかった昔の時代には、夏、初秋の代表野菜でした。


よく実った秋茄子は、来年の夏までお目にかかれない美味の一品でした。


こんな美味しいものを嫁さんに食わせるのは勿体ない、やめておこう!可哀相なお嫁さんだ、というのが一般的な解釈でした。


しかし、そんな日常的な話だけでなく、医学的な意味もありました。


秋茄子は盛りの季節も過ぎ、そろそろアクが強くなってき始めている。お嫁さんに食べさせたら、体に良くない。と言う意味で、冷え性によくない といったわけです。これまでの経験で、生活の中の知恵で、昔から代々そう言い伝えられてきたようです。


このような、昔からの言い伝えの言葉を、今の医療技術と重ねてみると、当たっていることが多いですよね。


昔の人は、偉かったと改めて思います。


現在では抑制栽培、促成栽培の発達により、一年中茄子の姿は見ることができます。


茄子は、いかにも日本的な色、形の野菜ですが、実は世界各国で用いられています。


油と相性がすごく良いので、フランス、イタリア、スペインではもちろんのこと、中近東でも多用されています。


具体例を出しますと、イラン、アラブの、羊肉を茄子に詰めて焼くムサカは有名です。




良い茄子の見分け方をご紹介します。


ナスは伝統的に色とつやで商品価値が決まってきました。鮮度を見分ける時も、まずは光沢が重要な目安となります。


それぞれの品種固有の形をしていて表面に傷がなく、黒紫色で全体に張りのあるものが良質です。


ナスは栄養的にはこれといって目立った成分はないことが、逆に特徴です。


健康の為に食べるべき野菜というよりは、嗜好品的な要素の強い野菜でもあります。




あの紫の皮の色はアントシアン系の色素、ナスニンによるもので、アルミニウム、鉄イオンと反応してあの独特な美しい色を放っています。コレステロール値を下げて、動脈硬化を防いでくれます。




日本では、八世紀の『正倉院方書』に記述があります。こんなに歴史があるとは思ってもみませんでした。


相当古くから利用されていたみたいですね。初夏から初秋にかけての旬の野菜として、煮物や漬物にとよく食べられたみたいですが、世の中いつの時代にも早いもの好きがいるもので、十七世紀にはなんと油紙で保温して栽培する早出し技術が生まれ、四月上旬には、はしりの品として将軍に献上されるようになっていました。


この技術は次第に広まって、それぞれに研究を重ねて競争まで起こるようになっていました。


淡い味わいが日本人の嗜好に合っているのでしょうか、各地方で様々な品種が発達し、地方色の濃い野菜となっっていったみたいです。


このように栽培の歴史も古く、食生活にも不動の地位を占めているために、需要も生産も安定しています。



ナスの主産地は、どこでしょう?




千両なすは岡山、高知、静岡、関東一円。米なすは高知、千葉、茨城県、丸なすは長野県、長なすは福岡、佐賀、熊本県、小なすは高知、山形県が主産地です。


一年中ありますが、冬から春にかけてはハウスもの、夏から秋は露地ものが出廻ります。



さきほども少し触れましたが、ナスには解熱作用や痛みをとったり、腫れをひかせるといった作用もあります。

ヘタの塩漬けを粉末にしたもので歯を磨くと、歯周炎・歯根膜炎などを予防・治療できるともいわれています。

打ち身やねんざ、やけどなどに湿布薬がわりに使っても効果を発揮してくれるということです。




ナスの主成分は糖質で、次に豊富なのがビタミンCやビタミンP、カルシウムや鉄分です。

これらの成分によって、血液循環の改善、高血圧・血栓症予防に効果が期待できます。