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当然のように冷蔵庫にある人参(にんじん)ですが  




人参の話なんて、身近過ぎて特に考えなくても良いのでは?と思われてしまいそうですが、ちょっとコツと言いますか、知識を持っているだけで、これからの人参を買うタイミングの時に役に立ってくれる情報をご紹介したいと思います。





なぜ、今売られている人参の種類が選ばれたのか?



人参は、昔から日本にあった東洋系のものと、ヨーロッパから伝えられた西洋系のものの、二つに大別されますが、今、スーパーなどの売り場で見られるのはほとんどが西洋系の、いわゆるにんじん色をしたゴロンとした形の種ですね。


東洋系は京人参みたいに赤い色が濃くて、根が長く、スマートです。関西の市場ではまだ見受けられますが、その数も減少傾向にあります。でも最近、東洋系の人参も見直す考えや取り組みをされている方もおられます。


東洋系人参の衰退の原因は、栽培法が西洋系に比較して面倒なこと、早く種を播くととうが立ちやすいこと、根が長いので採掘に時間がかかること、そして、家庭で作る料理が西欧化し、素材として西洋系が持てはやされるようになってきたことなどが考えられます。



スパッと輪切りにすると皮、赤い身、黄色の芯の三層が見られます。
味わいや、香りの強さなどのにんじんらしさが最もあるのは、皮と芯の間の赤い身の部分です。 生で使う場合は、主にこの部分を選びます。


中央にとおる黄色の芯は味わいも弱いので、他の素材とともに炒めるものに用いたり、小さな賽の目に切って、
スープやローストに香り付けをするためのミルポワの一部としたりします。

ミルポワというのは、フランス料理の調理のベースとなる香味野菜のことで、にんじん、玉ねぎ、セロリを小さめに切り混ぜ、肉や魚をローストする際に、香りや野菜のコク・風味をつける役目を持つものです。


自然志向の人々の間で一時期ブームとなったのが。キャロットケーキです。
すりおろしてスポンジ種に混ぜ、焼きあげます。にんじんの甘味が香ります。



良い人参を見分けるポイント



①良いものを見分けるには、色が鮮やかでなめらかなものが良いです。

②色が濃いほどカロチンが多いと判断します。

③表面がボツボツといぼ状になったものは病気にかかっていることが多いので避けます。

④表面に横筋があるのは品質には関係なく、品種の特性ですので安心できます。

⑤首の部分が黒いものは老化している証拠です。 

⑥首が緑色のものはジャガイモも同じなのですが、成育途上の段階で日焼けをしてしまって、エグ味などが出て しまい、結果美味しくないです。気を付けたいです。

⑦葉を切り落とした部分を見ると中心に芯があります。この芯は中までずっととおっていますが、甘味も少なく固いので、なるべく芯の直径は細いほうが良いです。

⑧にんじんは比較的保存しやすい野菜で、冷蔵庫に入れておけばビタミン類の減少もある程度は防げることが出来ます。


人参の栄養



にんじんといえば、カロチンの宝庫といっても過言ではない、緑黄色野菜の代表格でもあります。

カロチンは表皮の近くに多いので、使うときには皮を薄くむくほうが良いです。
新鮮で肌のきれいなものならば皮つきのまま調理しても良いと思います。

生でサラダにすることもありますが、カロチンは脂肪分に溶け込んだ形で体内に吸収されるので 油を使った調理法だと吸収率が高いです。

根に劣らず葉にもカロチンが多いです。またビタミンCも含まれているので、僕は人参の葉も良く使います。契約農家さんから無農薬人参を長年仕入れていますが、必ず葉付きでお願いしています。

にんじんは調理の上では栄養面からはもちろんのこと、彩りとしても重宝する野菜です。


縁起物で紅白のめでたさからか大根との組み合わせもありますが、にんじんの根にはビタミンCを酸化する酵素が含まれているため、大根おろしとにんじんおろしを混ぜると大根のビタミンCは壊されてしまいます。 
ですが、千切りにして合わせる場合は、おろしのように混ざり合ってしまうわけではないのでそんなに影響はないとされています。


にんじんはまだ別の顔があります。
それは古くから、貧血、強壮、腎臓病、疲労回復などに薬効があるとされているところです。



本格的な中国料理をしている知り合いがいます。その人の人参の細工の技術は本当に素晴らしいものです。

花の形に切って炒め物や煮込みに使ったり、これがまたすごいのですが花鳥を彫って前菜の皿飾りにしたり、またせん切りにして和え物にと幅広く使われています。

そのほか、ゆでたものをつぶして使ったり、細かく切ってあんかけのあんに加えたりもします。




人参の歴史について

 


ヒマラヤ山脈の近くに位置するアフガニスタンの高原に現在のにんじんの野生種がありまして、この地方が原産地とされています。

現在のにんじんとは形や色も違っていました。

黒紫色、紅紫色、黄色など様々な野生種から現在の形と色のものに進化してきました。

九~十世紀にイラン、ペルシャ地方に伝わり、次いでシリア、スペイン、イタリア、その後にフランス、オランダ、ドイツで栽培についての記録が見られる。この記録から考察してみますと、海側から伝わっていったことが良く分かりますよね。

さらにイギリス、アメリカに伝わりました。オランダやフランスで品種の分化が進み、現在ではおなじみの橙色のものが発達しました。

一方、東洋へはシルクロードを経て、元の時代に伝わり、胡(西域)から伝わったとして、(胡の大根)の字が使われています。

日本へは十七世紀に中国から渡来し、その後各地に定着して、地方品種が発達しました。
これらが現在東洋系にんじんと呼ばれているものです。
西洋系にんじんは明治以後導入され、第二次世界大戦後、急速に普及しました。
しかし、人参が日本へ渡ってくる時期の遅さにびっくりです。


   
鮮やかな赤色の金時にんじんは東洋系にんじんの代表選手です。
肉質が柔らかく、関西ではおせち料理に欠かさない品でもあります。
現在でも日本料理用として根強い消費がありますが、じわじわと西洋系に押される傾向にあります。
主に西日本一円で栽培されています。


他にはベビーキャロット、ひと口にんじんなどとも呼ばれるものもあります。



人参のまとめ



大昔から、人類と共に人参も進化し続けて今の形のものになっています。
その間も絶えずに人参の需要があり続けてきたことが本当にすごいことだと思います。

これからも、進化をし続けながら存在してゆく野菜だと思います。

今まで何度か、畑で人参作りに挑戦したことがありますが、なかなか芽が出てこなかったりと、僕にとっては栽培するのに難しい野菜の一つになっています。

地元農家さんで、毎年人参をコンスタントに作っている人を何人か知っていますが、やはりプロはすごいなと感心することも多々あります。


このような、様々なデータを記憶して、これからも人参を使っていきたいと思いました。