加古川市でTANTO屋という洋食店を営んでいますが、初めの頃は加古川市の農家さんのことや、どんな魚が獲れるのかなど、地元に対しての知識は乏しかったです。
学校や修行先が地元の加古川市ではないので、食材の調達先は世界各国から入荷していたわけです。
しかしあるとき、地元の農家さんと話出来たら、色々なキッカケになるかもしれないし、地元の食材を食べることで健康面にも良いとされているから、調べてみよう。
と考えました。
色んな人に聞くと、沢山の若い農家さんが頑張っていることに気付きました。しかもラッキーなことに、学生時代の先輩がおられたので、事細かく教えてもらうことができたことも大きかったです。
食材も、色々なものがある事を知りました。
しかし、自分が欲しいものすべてが揃うわけではありません。自分が欲しい食材の中には、とても特殊なものがあったりしますし、農家さんもある程度の需要がなければ、売れないですし、生活も困ってしまいます。
生産者の方々の毎日の仕事の話や意気込み・考え方などを聞いていると、信念をもって作っていらっしゃる方がとても多かったので、興味がきはじめました。
その結果、今のTANTO屋では、地元の食材を使う比重が高い店になっています。
TANTO屋のこだわり
自分の料理に対する信念も歳をとると共に濃いものになってきました。
初めの頃は、まずはいろいろな食材や、その食材の育つ過程や環境、生産者の性格が食材に出ることなど、色々なことを知るために勉強代はそれなりにかかりましたが、良い経験ができたと思いますし、ゴールがないことですので、今からもそれらは続いていくことになります。
僕の料理に対する考えは、同じ料理を作ることができますが、これは厳密にいうと見た目の再現性だけで、素材の持っている成分などはいろいろ違っているものですし、レシピをしっかりとみながら作ったとしても、クローンには限界があると考えています。
実際に、人参や玉ねぎを具体例に出すと、見た目は違わずとも、糖度は品種、育った環境、育つときの土壌の具合、保存時の方法などは違いますので、味にバラつきが出てきます。
こんなことばっかり考えていると、料理が作れなくなるので、ある程度で限界点にラインを自ら敷き、カットして考え、バランスを取る方法を使っています。
最終的に、お客様に喜んでもらえないと意味がありません。
しかし、お客様であれば、どんな年齢層にでも受け入れられるのか?と言えば、そうであありません。
僕の料理の作り方では、時間とコストがとてもかかります。
ですので、リーズナブルな価格帯では提供することができません。
そうなると、どうしても客層も限られてしまいます。
しかし個人飲食店は、大手大資本の外食産業みたいに、沢山の層をターゲットにできません。
ならば、『ランチェスター戦略』で経営するしか方法は無くなってくると判断しています。
これからの時代へのTANTO屋の付加価値とは
これからの時代は大変革期でもあります。
その大きなスパイラルの中で、自分のお店の役割やポジション、TANTO屋のコンセプトなど、明確に、鋭敏に研ぎすますことによって新たなるリニューアルが起こり、お店がお客様に良い意味で出来ることも変わってくると信じて止みません。
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