トビウオ(飛魚)の全体

胸ビレや腹ビレがとても大きいトビウオ(飛魚)



●海の波間を滑空する珍しい魚、トビウオ(飛魚)のお話です。

海の波間を飛行機みたいに滑空する、初夏を代表する魚、トビウオ(飛魚)をご紹介します。

トビウオはダツ目トビウオ科の魚種の総称で、日本近海でも30種ほどいます。

北海道の南から九州までの各地にいる魚で、その特徴は、胸ビレや腹ビレがとても大きいことと、尾ビレの下半分が上半分より長くなっていることです。

トビウオ中でもツクシトビウオは、小振りなトビウオで脂がなく、主に干物などに加工されています。





そんなトビウオは、実際どのくらい飛んでいるのか気になられたことがあると思います。

トビウオの平均的な飛距離は海面上約1メートルの高度を保ちながら、約100~300メートルは飛ぶと言われています。

最長記録では400メートル以上も飛ぶそうです。

船を飛び越えることもあり、船に網を張っておくと、それにかかるそうです。

トビウオはプランクトンを食べ、大きくなると30センチを超しますが、マグロなどの肉食魚に追われて空に逃げるためか、脂肪分がとても少なくて、アスリートのような魚と言えます。


なぜトビウオは、飛ぶのでしょうか?



どうしてトビウオはあんなに飛ぶのか?という理由は、海の中で共存している「外敵」から自分の身を守るためだと言われています。
トビウオは比較的小さな魚で、マグロの大好物です。
泳ぐスピードでは、彼ら外敵にはかないません。

襲われそうになった時に海中から姿を消して空中で遠くに飛べば、外敵はその後追跡する事もできなくなってしまいます。
弱者が生き残るため、進化したわけです。スゴい!


山口県ではトビウオの竹輪の「野焼き」、焼き干しした「アゴ」があります。
西日本や日本海側では、基本のダシとして使われている地域もあります。

味は、風味がよく、さっぱりとした旨さがあります。

伊豆諸島で作られる「くさや」も有名です。もちろん、寿司屋さんで見かける「トビコ」は、トビウオの卵です。