TANTO屋は、洋食とステーキのお店です。


洋食・ステーキ専門店ですので、メニューの数は少ないです。


いたずらに何でもかんでも作れるものならラインナップに載せるというようなメニュー構成ではないです。


自分のやり方にこだわりを持ち、キャリアは特に気にすることなく、現在も試行錯誤しながら作り続けています。


現在の店舗を構えてから25年になろうとしています。


若い時は、様々なお店で修行させていただき、色々な料理を作れるようになりましたが、実際にお客様に自分の実力100パーセントでお出しする料理を作るとき、それらははたしてご満足いただけるものなのだろうか?と考えると、作れるからと言って簡単になんでもお出しするというわけにはいきません。


ましてや個人店ですので、できることは限られてきます。


創業当初は、今のメニュー数の5倍以上はあったと思いますが、もっとカジュアルなメニューが多かったと記憶しております。


どのみち、メニュー数で勝負する方向に向いてしまうと、大資本の企業のお店と同じベクトル上に乗ってしまうことになり、個人店が太刀打ちできないことは安易に予測できました。


ですので、逆に『本当にお客様に喜んでもらえる自分の得意分野の料理を精一杯作ってご提供する』ことを念頭に置いてから、様々な検証などを繰り返してきました。



例えば、メニューの中に『ハンバーグ』があります。 ハンバーグは、ご家庭はもちろんのこと、全国の沢山の飲食店でご提供されている人気メニューです。


ハンバーグの表現の仕方は様々で、作り手の数の種類のハンバーグがあるといっても過言ではありません。


それだけ、個性がハッキリと出しやすい料理でもあります。



母親が作ってくれた、自分にとって小さい時から定番の味のハンバーグや、お肉を使わないヘルシーなハンバーグなど、使う材料や調理法にも色々なものがあります。



そのように個性を出しやすいハンバーグですので、『TANTO屋ならではの、ハンバーグ』というものを確立することを念頭に置いて、今まで試行錯誤してきました。これからも、現状のものより良くなることはどんどんと取り入れていくつもりですので、微妙に変化していくと予想できます。



ハンバーグを例にお話しをしましたが、他のメニューも基本は同様の考えです。



しかし、TANTO屋ならではのオリジナル性だからと言って、何でもアリで何でもやって良いわけではなく、基本が土台・石垣としてある上で、いままでお世話になったお客様と一緒に育ててきたメニューもありますので、その核の部分を損なうことなく、構築していくものだと考えています。




市場リサーチのデータを敢えて真っ向から組み込まず、オリジナル性を高めれば高めるほど、万人受けするものとはかけ離れていくと思いますが、今まで培ってきた『美味しさ』という概念を表現することを大事にしたいと思っております。


自分のお店ですので、何も、お店の方針まで大きな流れに右へならわなくても良いとも思っていました。


メニューのレシピはざっくりとしたものはありますが、数年、数十年と作っていく中で、進化してゆくものですし、機材や食材も変化してゆくものですので、その時々に『これに替えると、お客様ももっと喜んでくれるのではないか?』と判断できた場合は、思い切ってチェンジすることもあります。これからも、そうしてゆくと思います。


僕たちのやっていることは、『作業』ではなく、考えながら動く『仕事』をしているので、進化しても当然だという意見も俯瞰で持っています。