鯛は鯛でも、甘鯛となると、一般の方にはそう馴染みがないのかもしれません。
たしかに、甘鯛ならではの料理方法が存在します。
そんな甘鯛の特徴や料理などをご紹介したいと思います。
甘鯛の特徴について
甘鯛には三種類あります。それは、 『赤甘鯛』・『白川』・『黄甘鯛』の三つです。
この三種類の中で 赤甘鯛と白川は色ですぐ見分けがつきます。
見分け方はシンプルで、赤甘鯛のからだは赤く、白川はその名前のとおりに白いです。
黄甘鯛は、赤甘鯛と混同しやすく、よく間違えられます。
味の点では美味しい順に言いますと、 白川・赤甘鯛・黄甘鯛 の順で美味しいです。
黄甘鯛は脂が少なくて、その分さっぱりとはしていますが、逆に淡白すぎて味は物足りなく感じます。
そこで、美味しい甘鯛を食べたいとなりますと、黄甘鯛と赤甘鯛を見分けなければならないのですが、 からだの色はよく似ているので、見分けることが大変難しくなります。
見分けるポイントは一つしかないと言われています。
黄甘鯛しかない特徴は、からだの下の部分の、尾から腹にかけて黄色いシマがあります。
この黄色い部分があるかないか、で見分けるしか方法はないのです。
あと、甘鯛の特徴としまして、小さいものは脂がないです。肝心な旨みの脂がないので、味は期待できません。
普通、魚を調理するときはウロコを取りますが、赤甘鯛は例外です。
赤甘鯛はウロコのついたまま切り身にします。それを、そのまま焼きます。
これを和食で「木の花焼き」、と言います。
こうすることによって、ウロコが花びらのようになって、焼き上がりがとてもきれいで食感もおもしろいです。
洋食でも、日本人シェフがこの技法を応用的に使用しているところもあります。
甘鯛は真鯛のように、頭を食べるようなことはしません。普通は三枚におろして、料理にします。
旬は冬で、『鮎がでると、甘鯛の味が落ちる』と言われています。
甘鯛の大きさは一・二キロから一・五キロ前後が多く、なかには二キロを超える大物もいます。
だいたい、真鯛と一緒ですね。
鮮度のいいものは刺身にするときもありますが、それでも紀州産あたりが限度で、九州産のものは火をいれるのが普通です。
産地で味が変わらないことも特徴です。
まとめますと、甘鯛は刺身にしない、という説もありますが上物でしたら刺身が美味しいということです。
福井県で有名な甘鯛の西京漬
切り身に塩をして、塩がなじんだタイミングで表面に残った塩を水洗いし、白みそに漬け込みます。
漬け込む白みそにはあらかじめ、みりんか酒を加えて、やわらかく練りのばしておきます。
漬けてから四、五日が食べごろです。 みそを落として、焼きながらみりんを塗る。美味しいです!
福井県などでは、有名な料理です。
淡白なのに美味しいのは、グルタミン酸やイノシン酸といった、うまみ成分を含んでいて、アミノ酸のバランスが良いからです。