加古川市,洋食,ハンバーグ,ピザ



一年中スーパーなどでは、見ない時がない玉ねぎのお話です。



玉ねぎは常に調理場にあるもので、様々な料理で活躍しています。

苦手な方以外は自宅に玉ねぎが無いことが信じられないくらいの野菜です。




そんな玉ねぎには、私たち人間にとってとても有効な成分が含まれています。

そのことは、昔から世界各国で大量に消費されていることが証明の一部となっています。




そんな玉ねぎの歴史を、普段のイメージとは別の角度でたどりながら、ご紹介していきます。








玉葱(たまねぎ)について







玉ねぎは、ユリ科になります。


玉葱の歴史はとても古く、『エジプト、メソポタミア文明』のころから、すでに栽培されていたといわれています。




また、紀元前三千年、ピラミッド建設に携わった人々が、パンと玉葱(ニンニクも説があります)をエネルギーに変えて、炎天下で働いたという記録が残っています。

確かに玉葱には、疲労防止薬としての薬効があるといわれるほど、疲れに効く野菜です。




原産地は中央アジアといわれています。


日本では江戸時代に南蛮船によって長崎に渡来したのが、日本人と玉ねぎとの最初の出逢いとされていますが、本格的に導入されたのは明治時代になってからです。






イギリスには、「一日一個の玉ねぎは、医者を遠ざける」ということわざがあるほどです。

トマトにも、良く似た言葉があったような・・・・・・


ヨーロッパ各地にはこのエジプトを中心に地中海沿いに広まっていきました。











特徴的な2つの品種





特徴的な2つの品種とは、マイルドオニオンストロングオニオンのことを指します。






マイルドオニオンとは辛味の少ない品種で、イタリアや、スペインなどの南ヨーロッパで好まれました。


反して辛い品種のストロングオニオンはフランス以北の中部ヨーロッパや、北ヨーロッパで発達しました。


アメリカにはスペインから伝えられたのでマイルド種が多いということです。


一般的に、ストロング種のほうが貯蔵力が高いとされています。









日本は、玉ねぎの大量生産国






現在の日本では、大体どこへ行っても玉ねぎ畑が見られます。今や玉葱の大量生産国として日本を外せません。

それでもまだ、別に外国から輸入しています。その輸入量も世界最高レベルです。





神戸港は、世界で最も多くの玉ねぎが陸上げされる地となりました。

輸入先は、アメリカ、スペイン、ニュージーランド、オーストラリア、中国、台湾などから送られてきます。




輸入した玉ねぎのほとんどは貯蔵されて、国内で消費されることなく、気候上玉ねぎ栽培の困難な中近東に向けて輸出されます。

国内生産された玉葱も、一部は輸出にまわされているみたいです。









辛味の成分は、硫化アリル




昔の玉ねぎは、みじん切りにすると、カットされた断面から発散する刺激でまともに目をあけていられなかったくらいだったのに、今では涙も出なくなりましたし、昔ほど辛くもないどころか、フルーツ玉ねぎと呼ばれる、甘さが際立つものまで登場してきました。



玉葱の辛さのもとの成分は、硫化アリルというもので、それが玉ねぎの切り口から蒸発して目に入り、涙が出ます。


この硫化アリルというものは、イオウ化合物というもので、体の血行をよくして、ビタミン類の吸収と利用効率を上げて体力や気力を高めてくれると言われています。ですので、肉体労働者の人や運動を頑張っている学生さんなどには特にピッタリの野菜です。








人間は食べ物に関しては保守的です。


玉葱に関しても、日本では明治時代栽培に成功し、政府は民間に広めようとしましたが、苦い、臭いといって、手を出そうとしなかったみたいです。



明治25年、コレラが流行しました。誰からともなく玉ねぎはコレラに効くという話が流れて、おかげで玉ねぎが普及したという説があります。命惜しさに食べず、命惜しさに食べられ始めた歴史を持った数奇な運命を辿ってきた玉ねぎです。



それでも明治に入った輸入野菜の中では、最も早く一般的に栽培されるようになったものの一つです。




ヨーロッパの料理における玉ねぎの地位は高いです。
それは決して高価という意味ではなく、全ての料理のベースとなる重要野菜という意味です。



玉葱そのもの単品で使用するよりも、肉、魚の良きパートナーとして用いられることが多いです。





フランスのリヨンは玉ねぎの大生産地で、玉ねぎ料理も数多いです。

フランス料理でリヨネーズと名がついていれば、玉ねぎが何らかの形で入っていると考えて、間違いないです。





またまたフランスの話ですが、玉ねぎのスープを称して、『目のためのスープ』と呼びます。
玉ねぎは目によい、目が美しくなると、昔から言い伝えられています。





これは日本の話ですが枕元に玉ねぎをおいておくとよく眠れるという、不眠対策にも玉ねぎが使用されました。











玉葱の見分け方





かたくしまっていて光沢がよく、皮が乾いたものを選ぶと良いです。今ではめったにありませんが、押してみて柔らかいものは傷があったり、腐っていたりするので避けます。


芽の出ているものや、根が伸びているものは品質が低下していると判断しましょう。

玉ねぎは、本来保ちのよい野菜ですが、とにかく湿気を嫌います。湿気が多いと芽や根が出やすいです。



風通しのよい所に保存すれば2~3ヶ月間はもちます。特に冷蔵庫に入れる必要はありません。


春先に出廻るものを新玉ねぎと呼んでいます。新玉ねぎの中にも白い品種があります。



新玉ねぎの保存は1週間が限度です。保存を考えるよりは使う分だけ買うようにしたいところです。
しかし、新玉葱の甘さやみずみずしさ、食感は、本当に美味しいです。


TANTO屋では、地元の知り合いの農家さんたちが沢山作っていますので、直接仕入れていて、よく使用しています。







玉ねぎの成分




玉ねぎは カルシウム、リン、ビタミンA、B、Cを含み、消化、発汗に効果があるとされています。


特に日本人に不足がちのビタミンB1を吸収しやすい状態にする働きがあるので、健康野菜として注目されています。





とくにビタミンCは、含有成分のクエルセチンと一緒になって、血管をしなやかに、じょうぶにしてくれます。
この作用により、脳血栓や、心筋梗塞、高血圧などの血管病の予防・改善に役立ちます。




あと、強力な発汗・利尿作用もあります。これによって、デトックス作用が高いことも分かっています。





使い方の特徴をまとめますと、生のままで食べると苦いものもありますが、熱を加えると甘くなります。





生でサラダにしたり、細かく刻んでドレッシングに混ぜたりする場合には辛味を特徴とし、煮込んだり、焼いたり、炒めたりする場合には甘味を特徴とします。この変化を楽しむことが出来ます。





さらにミルポワ(香味野菜)として、とても威力を発揮してくれます。



玉ねぎをにんじん、セロリなどと一緒に角切り・乱切りにして肉や魚を調理する際に加えて臭みを消し、香りづけをするというフランス料理のベース素材でもあります。










赤玉ねぎは、色の美しさを活かしてサラダの彩りとして使われます。刺激性の少ない、甘い品種です。


ペコロスと呼ばれる小玉ねぎは煮込みものやカレーにまるごと使えて煮崩れしないため、年々需要が増えてきており、たまにスーパーでも見かけますが、まだまだ料理店用が中心です。



ぺコロスは、わずかなスペースでも栽培できるので、自家菜園にも適しています。



ペコロス種は普通の玉ねぎの栽培法とは異なり、やや遅播きして、そのまま苗床で球を作らせる場合が多いです。






まとめ




玉葱の歴史が証明しているように、人間にとって、とても有効な働きをしてくれるだけでなく、その風味も美味しい料理作りにとても貢献してくれています。



そういった訳で、『一日一個の玉ねぎは、医者を遠ざける』ということわざが出来た意味が、良く分かります。