今から作る料理の材料は最初にすべてそろえて並べ、そして、ひと呼吸おいてスタートします。
料理をするとき、とりあえず目の前にあるものから調理を始めている方が多いみたいですが、このやり方は本当の意味でお料理上手ではありません。
最初に、今から作る料理に使用する主材料から調味料まで、すべての材料を調理台にそろえることが重要でポイントでもあります。
できれば皮をむいたり切り分けたり、下ごしらえをすべてすませて、それを種類別、あるいは堅いもの柔らかいものなどに分けて並べます。
材料すべてを並べると、材料の味や栄養、色などのバランスがわかりやすく、分量を増減したり、他の材料を加えたりと、的確な判断をすることが身につきます。
また、整理して置いておくと、材料をむやみにさわることがなく、清潔さを保つこともできます。冷蔵庫や冷凍庫をバタバタと何度も開閉しなくても済みます。
そして、いざ調理という段階で、あわてることなく、スムーズに進めることができます。料理はタイミングや流れがとても大事です。
用意不足であわてることが料理の失敗の原因にもなるので、下ごしらえはゆとりをもって行ってください。
このやり方を続けていますと、ある時から急にあなたの料理レベルがアップします。
最近の風潮は、時短がメインみたいですが、美味しさをなくしてしまう時短は、意味がないと思います。
料理を作るときに必要な『ふた』の使い方とは?
焼いたり炒めたりする調理でも、時間がかかる調理にはふたを使うと効果的です。通常フライパンの調理では下からしか熱があたらないので上のほうの素材は冷たいままですよね。
素材の厚みがあればあるほど上下の温度差が出て、火が入るのに時間がかかります。でも、ふたをすれば熱が逃げず、熱が平均に回り、短時間で焦がすことなく加熱できます。素材も乾かず、しっとり仕上がります。
この時に気を付けなければならない事は、ふたをすることによって、水分が回りすぎて、しっとり感を通り過ぎてベタベタになってしまうことです。何を作るかにもよりますが、適度にふたをあけたりしてコントロールしましょう。
フッ素樹脂加工のフライパンに強火は禁物です。
中国料理では高温で一気に仕上げることがありますが、フレンチのソテーやポワレなどの技法では、中火がちょうどよい火加減となります。
強火に食材をあてるとやけど状態になりまして、中にほどよく火が入る前に、焦げたり堅くなったりしてしまいます。
料理では「低温やけど」にするほうが、深部まで堅くならずに火を入れられてよいということです。ステーキではとくにこの焼き温度の差が味に影響します。
フッ素樹脂加工のフライパンは素材がくっつかないので扱いやすい調理道具ですが、この材質は強火が禁物でもありますので、注意が必要です。
フッ素樹脂加工のフライパンの、温度の見分け方
①この状態がベスト!
水滴を落とすと直系5mmほどのパールサイズの水泡がたくさんでき、プリプリと飛びはねます。
②熱しすぎの状態
大きな水泡と小さな水泡が混在し、瞬時にあちこちに飛び散る状態です。
③まだ温め不足の状態
フライパン上にできた水泡の動きが少なく、飛びはねる音もしません。
『煮る』『ゆでる』という調理法では、時には途中で火からはずすことも大切です。
プロの調理場では、煮たりゆでたりするとき、ある程度火を入れたら火からはずして温かい場所に置き、時間をおいてまた火にかけるという段階的な火入れをよくします。
なぜ、こんなことをするのかといいますと、火からはずすことで素材が煮くずれしにくく、その間に味がじっくりとよくしみ込んだり、食材の持ち味を引き出したりすることができるからです。時間に余裕があるときは、この方法でゆっくり火を入れるのが一番です。
電子レンジには、メリットがたくさんあります。
電子レンジ=『温める機械』という認識を一旦リセットすることをおススメします。『調理器具』として利用すれば、料理をもっと短時間で効率的に作れますので、献立の幅を広げることが可能です。
食材によっては、レンジ調理のほうが、栄養損失が少なかったりしますし、ガス火や電磁調理器では加減がむずかしい調理も、焦がしたりすることなく、安定して上手に仕上げることもできます。
電子レンジを手抜き道具のようにとらえるのではなく、もっともっと賢く使いこなすことを考えましょう。
レンジを使用することで、油脂の量を減らせる、野菜の水分だけで野菜の煮込みができる、煮くずれがないなど、メリットはたくさんあります。
緑を添えて料理に安らぎを
料理の中で”緑”は大切なカラーです。もちろん自然の緑であることが大事です。
自然のものは料理にフレッシュ感と美しさを与え、心を和ませる役割をしてくれます。
少々不恰好でも効果大です。自然を感じるその姿がリラックスさせてくれるようです。花屋さんにあるものとはそのパワーが違います。
ご家庭でも、食卓の空間を優しく包んでくれるこんな工夫をしてみてはいかがでしょうか。
レシピによくある『ひたひた』の量とはどのくらい?
時間をかけて長く煮込む料理では、材料に対して水分を「ひたひた」に入れる、という表現をよく使います。
ひたひたとは、材料が水分につかるかつからないかのぎりぎりの状態のことを指します。
水面より出た部分は乾燥しやすいので、大部分は水分でぎりぎり覆われた状態にします。
氷水を多用して色、風味を鮮明に残します
熱いソースやゆで上がったばかりの野菜など、あつあつの食材を急冷することが、とても大事な場合があります。
そのため、調理中に氷水を使う時が頻繁にあります。
ソース系のものをボウルの外から冷やしたり、湯に浸したトマトを氷水に直接つけて皮をむいたりなどです。
こうすることで、ソースやゆで野菜の色や風味がぼやけるのを防げますし、トマトは急冷することで皮がむきやすくなります。
確かに手間なことなのですが、これをするかしないかで、風味の鮮明さが全く変わってきます。
鍋のサイズは材料の量に合わせます。
鍋の大きさと材料の分量にはバランスが必要です。鍋が大きすぎると余分なスペースができて熱効率が悪くなります。
逆に小さすぎると材料が重なり合って火が通りにくくなります。余分なスペースがあると、材料が加熱の対流で躍ってしまって、雑味や濁りが出ることもあります。
材料でちょうど埋まるくらいの大きさがベストです。