発酵食品のチーズをお皿の上に並べている


発酵と腐敗は全くの別物です。



納豆は、腐っていると思っている方もおられるかもしれませんが、あれは腐敗しているのではなく、発酵しています。

発酵食品が、どうして健康に良いのか。 その理由をご存じでしょうか?

よく聞くのが、『発酵』と『腐敗』を同じ意味にとらえられている方もおられます。

でも、この2つは、まったく違うものです。

発酵食品には生きた菌がたくさん含まれています。ヒトの腸内に住む善玉菌の働きを助け、腸内環境の改善につながります。

このことからも分かるように、私たち人間の腸内環境は発酵型です。





発酵食品にも、色々な種類があります。




発酵食品の具体的な例を出すと、欧米食で言えば、チーズやヨーグルトなどで、和食だと漬物や梅干し、お味噌、醤油、納豆などです。



発酵している過程には、脂肪やたんぱく質、炭水化物などの栄養素が分解されていきます。
その結果、消化・吸収に優れているために、胃腸の弱い方や、幼児、体力のない人に、おススメできます。

また、発酵食品の中で活動している乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌は、様々な効能を発揮してくれます。


しかし、発酵食品に含まれる微生物の多くは40℃以上の熱が加わると、死んでしまいます。

死んでしまったら意味がなくなってしまうので、発酵食品を加熱せずに食べると生きた菌を摂りやすくなります。


それともう一つ、注意点があります。発酵食品の中には、塩分が多く含まれている食品も存在します。

たとえば、漬物やキムチ、塩辛もそうです。


これらの塩分が多く含まれるものを、いくら発酵食品だから健康に良いと思って気にせずに摂取していると、健康を害してしまいます。


ですので、程よく摂っていくことがベストだと思います。






知らなかった!? 意外な発酵食品とは?



普段から良く知っている食べ物の中で、実は発酵食品だったというものもありますので、ご紹介しておきます。


たとえば、フィリピンのナタ・デ・ココは、ココナッツを発酵させて作られています。


他にも、バニラは、種子鞘を発酵させることによって、あの独特な香りが取得できます。


タバスコも発酵させて作られています。唐辛子と岩塩と穀物酢を一緒にして寝かせ、発酵させたものです。


身近な飲み物でしたら、紅茶や烏龍茶も、実は発酵させて作られています。


このように、発酵食品は、世界で作られています。



日本では、発酵食品が多く用いられています。

日本人は長寿でも知られていますが、その秘密はこのような発酵食品にあるのかもしれません。




発酵食品のまとめ



昭和の時代、西暦では1970年代の日本人の食生活が、一番健康であったということが書いてある情報を読んだことがあります。

その当時の食卓には、当然のように納豆やお漬物などの発酵食品が必ず並べられていたと思います。


しかし最近では、食事情も激変し、健康よりも手軽さが重視されているような気もします。

ですので、発酵食品のことを意識することで、摂取量も自ずと増えていくようになると思います。


TANTO屋は洋食のお店ですが、発酵食品も取り扱っていますので、バランスよくメニューの中に組み込んでいくことを意識しています。


発酵食品の歴史は、有史以前から存在し、現代まで使われてきていることが分かっています。

当時の人々は、微生物のことなんて知る由もなかったと思いますが、感覚的にと言いますか、それが人間にとって大事な食べ物であることを理解していたことには、驚きを隠せません。


これからも発酵食品は進化していくでしょうが、どのように次世代に伝えられていくのか、とても興味があります。