炭が真っ赤に燃えている


自分の作る料理に最適な炭は、一体どれなのか?というテーマで


いままで色々な炭を全国から取り寄せて、検証してみました。



炭には、炭独特の良さがあり、炭火で牛肉や魚、野菜などを焼くと、独特の美味しい料理に仕上がります。


本物の炭を使って食材を焼いて食べたことのある方は気づかれている人もおられると思うのですが、ガスや電気で焼いた時と違って、独特な香ばしさや風味を感じます。


あの香ばしさや風味は、炭から出している『遠赤外線』という輻射熱が良い仕事をしているからと言われています。

アウトドアで炭火を使って煙と戦いながらも、バーベキューをされた方も多いと思います。


もちろんアウトドアでしたら自然などの周りの環境の力のおかげで美味しく感じることもあると思いますが、これも、遠赤外線の力も大きくかかわっています。



この炭の輻射熱は基本的には、炎が出ないので黒こげになりにくいです。
仮に『焦げてしまったかな?』と感じても、風味が損なわれたり苦味を感じたりすることは、殆どありません。
(※炭火調理の時、食材から燃焼中の炭に水分が落ちて、炎が上がって焦げる場合もあります。)

しかし、ガスで焼いた場合は、うまくコントロールできないと、火を強くすれば表面だけが焦げてしまって中身は生の状態になってしまったり、逆に弱火にすると、せっかくのうま味や水分が出てしまってかたくなってしまったりします。




炭ならではの輻射熱伝導を利用して料理を作れば(炭ならではの良さをあやつることができれば)、別格の美味しさとなります。


もちろん、煙が出たり、臭いが残ったりと大変なことはありますが、炭火の熱を利用して料理するメリットは、ガスや電磁調理器などの熱の食材に熱を伝える方法とは全く違うものなので、長時間穏やかに保たれる熱量や、豊富に出る遠赤外線が食材を美味しくしてくれるところです。



定番の炭3つの特徴



はじめにいろいろと炭について検証してみたとありましたが、なぜ検証したのかというと、自分の料理に一番フィットする炭は、いったいどれなのか?といった単純な理由からです。

今回は、この3つをピックアップしてみました。
この3つの炭は、よくお目にかかることがあるので、検証しやすいと思いました。あくまで、料理を中心に検証してみました。




まずは、マングローブ炭です。



シーズンになると、ホームセンターのアウトドアコーナーなどで、ダンボール箱に入っているお手頃価格の炭です。

袋に入っているマングローブ炭

見た目は、このように均等な形になっていないことが特徴の炭です。厚めの板を乱雑に切って炭にしたような形が特徴です。




メリット
①価格が安い
②手に入れやすい(ほとんどのホームセンターに置いてある。)
③火が付きやすい

デメリット
①使用中、かなりの確率で『パチッ!』とハジけて、火の粉も結構出る。
②燃焼持続時間が短い
③燃焼が安定するまで煙が多いのと、独特なニオイが出て目にしみやすい






オガ炭(成型炭)


オガ炭

この炭は、木材を製材する時に出てくるオガ屑を、圧縮加熱成型する事で出来る「オガライト」を原料とした木炭のことです。



メリット
①中が空洞で、燃焼効率も凄く良い。
②火力が安定しやすい。
③途中で火が消えることも少ない
④煙もそんなに出ない。(燃焼率が良いので)
⑤燃焼時間もまあまあ良い
⑥燃焼中に『パチッ!』とはじけることは少ない


デメリット
②圧縮成形されている分、重量がある。(箱単位の場合)
③完全に着火するまで、少し時間がかかる



備長炭(紀州)



紀州備長炭


本場の紀州備長炭です。
ちょっと料理に詳しい人ならば、『紀州備長炭』という言葉を一度は聞いたことがあると思います。

なぜ、その名を天下にとどろかせたのか、検証してみてはっきりとわかりました。

画像のように、炭の中身はぎっしり詰まっています。
備長炭同士を、たいこのバチみたいにたたいてみると、『キン!』と透き通ったような音がします。




メリット
①長時間、燃焼し続ける
②火力が安定しやすい
③火力が安定すれば、煙はほとんど出ない
④炭のなかでは火加減をコントロールしやすい
⑤燃焼時に繊細さを感じる。
⑥燃焼中に『パチッ!』とはじけることはほぼない


デメリット
②火力の安定期に入るまで時間が結構かかる
③燃焼中、酸素不足になるとすぐに火が消えやすい
④近くでは手に入りにくい。





まとめ



あくまで個人の見解で3つの炭を検証してみましたが、料理の美味しさ重視で炭を選択する場合は、やはり、紀州備長炭が一番良かったです。

実際に使用してみると良くわかるのですが、ガス火の温度の半分くらいの温度しかないのに、ステーキやローストビーフを作っていくと
美味しさの元の水分を無駄に外に出さずに確保してくれている感覚です。

ずばり、料理に向いている(食材に熱を加えるための最適な炭)と感じました。
なぜなら食材に、輻射熱が大事に優しくタッチしてくれているイメージを持てたからです。

あと、炭に送り込む空気の調節も大事な火力調整や温度調整ができる方法の一つですので、やはりうまく扱えるようになるには、何度も使ってみることがポイントでした。



炭の遠赤外線効果(輻射熱効果)は、決してお肉だけでなく、お魚や野菜にも威力を発揮してくれるので、また違った角度からの美味しさのある料理が完成します。

炭の遠赤外線効果